シリコンバレーのベンチャー

うちの研究室のOBで現在シリコンバレーあたりでベンチャー立ち上げたり解散したり、そしてまた立ち上げなおしたりしている人の講演を聞いてきた。講演を聞いた限りでは、向こうの人は3年ごとくらいに会社を変えてキャリアを積み、十数年してからベンチャーを立ち上げる人は立ち上げ、立ち上げたベンチャー企業が成功したら大部分は大企業に売却するという感じらしい。
もちろん成功(Exit)としてはM&AだけでなくIPO(株式上場)もあるけど(15%程度)、まあ基本的にはこんな感じで、会社はころころ変えているような印象。
そういった企業の力は、


組織の力=価値観の共有×効率化


といった感じで表わされ、トップがビジョンを示すことで価値観の共有がなされれば、それに比例して組織の力が高まっていくとのこと。で、ビジョンとして掲げるものとして、異論のわかないものはそもそも駄目、というのには納得できた。要するにそんなものは掲げるまでもないということで、もっと具体的なものを示すべきという話だ。しかし、大きな企業ほど当たり前のことを企業理念として掲げているのはわからないでもない。どこかに特化したビジョンというわけではなく、包括的に考えようとすれば、自然と当たり前のものに落ち着いてしまうんだろうなと思った。ここで、ベンチャー的な会社では、明確にどこかに特化しなければ生き残れないので、そういった理念ではだめで、何か特定の分野の話に飛び出た理念を掲げる必要があるのだろう。そう今結論付けた。
今回、シリコンバレー付近のベンチャー企業の話(+アメリカ的マインドの話)を聞けたが、それと日本とを対比した場合に、文化の下地の違いや、ベースとなっている技術の違いによって、どのように、またはどの程度応用していけば良いのかしっかり考えないといかんなと思った。まず、日本の製造業は、職人的気質によって支えられているような気もする。なので、そうコロコロ会社を変えるとそういった職人的技術の蓄積、継承ができないんじゃないのかなとか。あと、トップがビジョンを掲げて突っ走った結果、大失敗をしたとか、そのくせ頭ぽりぽり掻いて後は知らんふりみたいなことになっている国のまねをするのがはたして良いことか、とか。


それから、大統領選挙にからめて、向こうの学生は誰を支持するなんてのをプラカードを掲げるなどして積極的に表明したり、論じたりしているが、こっちじゃそういうのはあまりないとか。そもそもこっちでは政治と宗教とプロ野球の話題はタブー的な空気があるのでどうなんだろうという感じだ。その辺の意見もちょっと聞きたかったが聞く勇気がわかなかったので突っ込めなかった。これは今後の課題だ。反省。

自戒を込めて。講演等での質問はなかなか手を挙げられない(話題によっては何となく気まずいので)が、その場で聞いてしまった方が後々楽なのかなあと。でも、偉い方々が周りにいると色々とプレッシャーを感じてチャンスを逃してしまうんだよねえ。何とかそのあたりを克服せねば。


※文章が支離滅裂なのはアルコールのせいにしておいてください。